心理学上の大テーマ
もののかたちの見え方に、方向が関係することは、心理学上の大テーマで、いろんな形の実験材料をさまざまに傾けて、どう見え方が変わるか研究が行われています。
壁に正方形をまっすぐにしたものと、45度傾けたものを並べておくと、傾けた方は正方形とはみえず、ヒシ形とみてしまいます。
一方、顔の方を45度傾けてさきのまっすぐにはりつけた正方形をみても、ヒシ形にはみえてきません。
このことから、かたちのみえ方には、目の網膜の上での傾きよりも置かれた場所の環境との関係の方が強く働くという結果を、アービン・ロックというアメリカの心理学者がひき出しています。
ただし、顔の場合は例外の一つで、まわりとの関係より網膜の中に写る方向が決め手になるのです。
私たちは、長い過去の体験から、顔というのはいつでも頭が上でアゴが下になる位置でみなれてしまっているために、たまたままぎらわしい場合でも、この正常位の方の情報を優先的に探し出して判断してしまうせいらしい。
逆に、ふだんは見なれている人の顔でも、いきなりさかさまの状態の写真でみせられると、すぐにはだれだか識別できないほどです。